2022/04/01
土台とは
根っこの治療が終わった後に、被せ物を入れる前にたてる土台(芯となるもの)。神経をとった歯にコアと呼ばれる土台を入れてから、コアに対してかぶせものを入れるのが一般的です。
土台を入れるということは、神経をとる処置をしたということ。土台を入れる理由は、神経をとった歯は、もろくなり、被せ物だけでは、強度がもたないからです。
脆いとは?木で例えてみましょう。神経や血管がある木は、栄養がありイキイキと生きていますよね。しかし、神経や血管を失うと木は中がスカスカになって枯れてしまいます。歯も、神経がなくなってしまうことで変色したり、折れやすかったり、化膿しやすくなったり脆くなります。
また、神経がなくなることによって、むし歯になった時に痛みを感じ無くなってしまします。すなわち気づかないうちに、いつの間にか虫歯が悪化していた…ということも結構あります。挟まりやすくなって気づいた時には、大きな穴が空いているでしょう。
土台の種類
コアに使われている材料には保険が効く①金属のコアと②保険が効かないのものとしてファイバーポストをレジンで補強したファイバーコアの2種類があります。
ファイバーのコア強度は金属コアより歯の根っこに近いため、歯の根っこと一体化して歯の根っこが割れる可能性を低くすることができます。金属コアに比べて根っこにかかる負担が少ないのです。ファイバーコアは色も天然の歯に近いので、透明感のあるオールセラミック等の素材のかぶせものを被せたい場合には金属のコアがを使うより、綺麗にかぶせものが入ります。
昔から入っている金属コア…見た目を白くしたいからってオールセラミックの被せ物を選択したとしても、中の金属コアが透けて何かもったいないと感じてしまいます。
金属のコアとファイバーコアのメリットとデメリット
①金属のコア
メリット
・保険が効くので安く作れる
デメリット
・金属が硬いので、歯に負担がかかったときにバキッと割れてしまうことがある(歯が縦に割れてしまうと高い確率で歯を抜くことになる)
・太いコアが入っていると外すのが大変になり再治療するのが難しくなることもあります(外す時に根っこが割れてしまいそのまま歯を抜くことになる可能性もある)
・土台の上にかぶせる、かぶせものをセラミックにする場合、中の金属の土台が透けることがあるので、勿体無いなと思います。せっかく透明感のあるセラミックを入れているのに、中のコアが透けたら嫌ですよね。
・歯ぐきから金属が透けて見えてしまう、長い間金属をつけていると金属が溶け出し、歯ぐきが黒くなることがある。昔入れていた金属のせいで、歯の周りが黒ずむなんて…
・金属アレルギーの原因になることがある
②ファイバーコア
メリット
・しなる性質があるので、残っている歯と一緒に動いてくれるということもあり、歯に対しての負担が少ないことから歯が割れる可能性が低くなっています。
・歯に似た白さのため、被せ物を入れたときの見た目がきれい。自然で透明感のある美しい歯を入れることができる
・金属アレルギーなどの心配がない
・ファイバーコア+オールセラミックをすることで、自分の歯に近い透明感をセラミックを入れた際に歯の透明感実感できるでしょう。
・金属を使っていないので、時間が経っても金が溶け出して歯や歯ぐきが黒くなる、金属アレルギーなどの心配がない
・硬さや弾性が歯とほぼ同じため、歯が割れるのリスクが金属コアに比べて低い。
・強度があり耐久性がある
デメリット
・歯の状態によっては、ファイバーコアを使えないこともある。ファイバーコアにするメリットがある場合にしかご提案はできません。
・金額が保険のものに比べて上がる
土台は後からでも変えられるの?
コアは一度セットしまうと外すのがとても難しいです。先ほどもお話ししたように、直接根っこに接着剤でくっついてますから、根っこに無理な力をかけて外そうとすると歯が割れてそのまま抜歯になってしまうこともあります。慎重に除去しているんですよ。
また、やり直しをするとそのたびに歯が削られてしまうので、歯質が多少は少なくなります。治療回数はできるだけ減らすのが良いと思います。
また、後から変えられるからといって、かぶせものの中に入っていて、被せ物が被っていて、外から見えない土台を治療の必要がない時に土台から変えようと思いますか?どこの歯にどの種類の土台が入っているか覚えていますか?患者さんにも、以前何を入れたか覚えているかと聞くと、被せ物は覚えていても、土台(コア)は覚えていない方…たくさんいらっしゃいますよ~。
どんなに質の良いかぶせもの入れたとしても、残っている根っこがダメになってしまうと、元も子もないですからね。
土台の種類によってかぶせものの見た目も変わってきます
土台の種類でもお話ししたように前歯に金属の土台(コア)を入れている場合には、将来オールセラミックなどの見た目の良い被せ物にしようと思った時に、困ってしまうこともあります。ファイバーコアのは自分の歯の色に近いため、透明感の強い材料を用いてかぶせもの(セラミックの材質のかぶせもの)をかぶせたい場合には金属のコアを用いるより、綺麗にかぶせものが入ります。
目に見える被せ物もとても大切ですが、中に入る芯となるコアも大事です。ご自分の歯を少しでも持たせるように、素材を選んでください。
みなさんが土台(コア)を選ぶ上で参考になったら良いなと思います。
ご質問等あれば、お気軽にご相談ください。